和金とは
和金とは金魚の原点とも言える品種のひとつで、フナのような体型をしているのが特徴です。飼育のしやすさや価格の安さから長年人気の金魚です。和金には尾鰭の形が普通の フナ尾をはじめ、三つ尾、四つ尾などいくつかのタイプがあります。
最近では高級なサラサ和金や、改良により様々な体色や体型の和金型品種も登場しています。
和金の歴史
和金は中国の普の時代に生まれた、フナの突然変異で赤い個体（ヒブナ）を固定したのが原型とされています。このフナはギベリオブナと呼ばれる日本のギンブナの近縁種で、東アジアをはじめヨーロッパの温帯域に至るまで広く生息しています。
その後、室町時代になると日本に最初に渡ってきた金魚が和金で、江戸時代になってから渡ってきた様々な改良品種と区別されてその名がついたとされています。
小赤や姉金、大姉といった名前で販売されている金魚がいますが、基本的には和金と同様の品種になります。和金はとても安価で生産量も多いことから、肉食魚などの生き餌（餌金）としても流通しています。
餌用の和金はサイズ別で販売されており、小赤＜姉金＜大姉の順でサイズが大きくなります。
和金は金魚すくいでもお馴染み
出典：ぱくたそ
和金といえば、金魚すくいでもお馴染みですね。奈良県の大和郡山市は和金の一大産地でもあり、全国金魚すくい選手権なども開催されています。ポイと呼ばれる薄い紙を張った道具で、金魚をすくい上げるのはなかなか簡単なようで難しく、昔から夏祭りの風物詩として多くの人に親しまれています。
和金の飼い方
和金は非常に飼育しやすく、丈夫な魚です。基本を守って和金の飼育を楽しみましょう。
飼育設備
和金は意外と大きくなる魚で、普通に飼育していれば30cm近くまでは成長します。金魚すくいなどでよく見かける3cmほどのサイズの和金であれば、45cm水槽などでも飼育可能ですが、大きくなるにつれて最低でも60cm規格水槽は必要になります。
また、和金は餌を食べる量が多く、水を汚しやすい魚です。もっとも手軽な投げ込み式フィルターをはじめ、上部フィルターや外部フィルターを使用して綺麗な水質を維持しましょう。
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屋外での飼育も和金は向いています。太陽光が当たる屋外での飼育は、より大きく発色の良い和金に育て上げることができます。庭に池を作る方法意外にも、プラ舟を使ったプラ舟飼育などもおすすめです。スペースに余裕がある方は、ぜひチャレンジしてみてください。
水温・水質
和金は非常に丈夫なため、しっかりと水合わせさえすれば、それほど水温や水質を気にする必要はありません。和金は国内で養殖していることが多いため寒さや暑さにも強く、外国産金魚のようにヒーターを用いなくても十分飼育できます。ヒーターなしで飼育する場合は、水温変化の大きな春や秋の病気に注意し、水温が低くなる冬は餌の量を控えるのがポイントです。
夏場は水質が悪化しやすいので、こまめな水換えを行いましょう。
餌
和金は雑食性で、小型の水中動物や水草などなんでも食べます。基本的には市販の金魚フードで問題ありませんが、体色の色揚げをしたい場合は色揚げ用の餌やアカムシなどがおすすめです。また、長期で家を空ける場合などは、カボンバやアナカリスを水槽に入れておくのもおすすめです。
和金の混泳の相性
和金型の金魚同士であれば、よほどの体長差がない限り混泳が可能です。体長差がありすぎると、大きな和金が小さな和金をつついたりして最悪の場合、小さな和金が死んでしまうこともありますので注意が必要です。
また、琉金や出目金のような丸型の金魚は遊泳力が弱いのに対し、和金型の金魚は遊泳力が強いので、餌の取り合いで差が出てしまうこともしばしばあります。できるだけ同じ体型の金魚で揃えるのが良いでしょう。
和金型の種類（品種）
掛け合わせにより、和金型の様々な品種が作出されています。超定番の品種から、最近生まれたばかりのものまでご紹介していきます。
コメット
各ヒレが長く新調する優雅な品種です。体色はサラサ模様が一般的で、流通量も多く入手しやすいのが特徴です。
朱文金
コメットをキャリコ柄にしたのが朱文金です。コメット同様、流通量も安定していて、比較的多くの観賞魚店で目にすることができます。
ブリストル朱文金
尾鰭をハートハート型に改良した朱文金で、比較的近年になって作出されました。イギリスのブリストル地方が発祥と言われているため、この名がついています。
隼人錦・隼人和錦
ジャンボ東錦から生まれた肉瘤が発達しない和金型の個体を固定して作出されたのが、隼人錦です。鹿児島県の有名な巻木養魚場で作出されました。隼人錦がキャリコ柄、サラサや黒一色の個体は隼人和錦と呼ばれます。
地金
孔雀尾と呼ばれる2枚の尾鰭が特徴の品種で、愛知県の天然記念物にも指定されています。調色と呼ばれる人工的に体色を白色にするために鱗を剥がす作業をおこなうため、和金型ながら飼育はとても難しいとされています。
東海錦
地金と蝶尾を掛け合わせて作出され、時期んのような体高が印象的な品種です。近年になって流通量も増えてきましたが、価格は数千円程度からと比較的高価な金魚になります。
鉄魚
ヒレが伸長し、成長しても金魚のように体色が赤色にはならない種。宮城県の魚取沼に生息する野生個体は国の天然記念物に指定されています。
雅錦
埼玉県の北川辺金魚園によって作出された品種で、地金とブリストル朱文金の掛け合わせで生まれたとされています。ハート型の大きな２枚尾をひらひらさせて泳ぐ姿はとても美しく人気があります。
オーロラ
強い浅葱色の体色と、長い尾が印象的な品種です。流通量はそれほど多くなく入手は困難ですが、丈夫で初心者も飼育しやすいとされています。
和金を飼育してみよう！
和金は金魚の原型であり、とても丈夫で初心者にも飼育しやすい金魚です。金魚を飼ってみたいけれど、飼育経験はほとんどなくて不安という方は和金から始めてみるのも良いでしょう。和金といえど、飼い込めばとても立派になります。
ぜひ、存分に愛情を注いで、和金を可愛がってあげてくださいね。
